西尾和美臨床心理基金
西尾和美臨床心理基金とは
カリフォルニア臨床心理大学院【California School of Professional Psychology 以下CSPPと表記】日本校の創設者のおひとりである西尾和美先生(2019年7月5日ご逝去)が、ご自身の財産の一部をCSPP日本校の修了生のために残したいと望まれ、NPO法人日米心理研究所(JUPI)に運営を委託されました。当法人では、西尾先生が願われた、CSPP日本校閉校後もお互いサポートし合い、学び続けることを支援するために、当研究所内に西尾和美臨床心理基金部を設立いたしました。西尾先生が設立された基金を管理しているNPO法人アライアント・エジュケーショナル・ファウンデーション(AEF)に予算提出と年間報告を行いながら、基金の目的に沿った活動を運営していきます。
この「西尾和美臨床心理基金」の目的は以下となります。
- 1.
- CSPP日本校の修了生とその関係者の、継続的な臨床心理トレーニングに焦点を当てた支援
- 2.
- CSPP日本校修了生の集まりやコネクションの支援
- 3.
- CSPP日本校修了生が、日本校閉校後、アライアント国際大学へ成績証明書等自分の記録のアクセスをする際のコミュニケーションの支援
- 4.
- 心理的トラウマと回復、依存、家族の問題とその関連フィールドに関する日本における臨床心理的研究の資金の提供
JUPIでは、西尾和美臨床心理基金部にて、上記の1と2の目的に沿った基金の運営を行っております。
※上記3は、CSPP日本校修了生と大学との個人情報を含むやり取りになることから、本校のサイトに日本校のコンテンツが作成され、日本校閉校後は、CSPP日本校修了生のためのリエゾンとして大学内に籍を置く西澤奈穂子が担当します。
上記4は、今後JUPI内に枠組みを設定することを検討しています。
これまでの活動
主催
- 2019年9月1日
- 「臨床心理学と女性」
- 講師 ダリア・ダッカーPh.D.
- 講師 本間玲子Ph.D.
- 通訳 西澤奈穂子Ph.D.
出資
- 2019年9月1日
- 西尾和美先生追悼式
- 2019年11月9日
- 「性的マイノリティとメンタルヘルス」
- 講師 ジェイ・アフリカPh.D.
- 通訳 西澤奈穂子Ph.D.
- 2019年11月10日
- 「性的マイノリティと社会:日米の社会・文化比較~シンポジウム」
- 講師 中村光汰Ph.D.
- 2019年12月22日
- CSPP同窓会
- 2020年8月30日
- 新型コロナウィルスとストレス
- 講師 ダイアン・ゼルマンPh.D.
- 講師 本間玲子Ph.D.
- 通訳 和田さゆりPh.D.
西尾和美先生について
1945年6月8日岐阜県生まれ
学芸大学心理学修士課程を修了後、カリフォルニア州立大学で臨床心理の修士課程を取得。その後、カリフォルニア臨床心理大学院(CSPP)にて臨床心理学博士課程を修了し、カリフォルニア州認定臨床心理学者として、37年間にわたり、トラウマ治療をはじめとする心理臨床、サイコセラピーの実践にあたられました。その中で、トラウマ治療の長く豊かな経験をベースに「リプロセス・リトリート」を開発し、北カリフォルニアを中心に、多くの人のトラウマの回復や深い癒しをサポートしてきました。
1988年、日本で長く精神医療に携わる斎藤学医学博士とともに、日本にアダルト・チルドレンや共依存の概念を紹介し、それ以来20年近く、日本でもリプロセス・リトリート、ワークショップ、講演会、研修会などを数多く行い、多くの人のトラウマの癒しや回復を手助けしただけでなく、専門家の教育も行ってこられました。また日本で出版した著書は25冊に上り、日本社会に大きな影響を与えたと言えます。
その活動を通して、日本に臨床心理学の実践的な教育を提供する大学院の必要性を痛感し、自身の出身校であったCSPPの日本校の設立に向け、斎藤学博士と準備を続け、2002年に、CSPP日本校の設立を実現しました。以降、退官するまで、名誉教授として日本校の学生の指導にあたり続けました。
2018年に、CSPP日本校の閉校の知らせを受け、修了生が国内に母校のベースを持たないことによる困難を最小限にし、継続的に学びを続け、修了生同士が支援しあっていくことを可能にするため、西尾和美臨床心理基金を設立されました。